お笑いコンビやるせなすの中村豪はあの江原啓之も認めるほどの霊感の持ち主で、その力は芸人の中で一番とも言われている。
その才能が開花されたのはあるテレビ番組の幽霊マンションに泊まるという企画が発端。孤独死した老人の霊が現われ、その部屋の住人は次々と事故にあったり変死したという。
内容はその部屋に相方である石井康太が泊まり、中村は隣の部屋からモニタリングをするというものだった。だが奇怪な現象は石井の部屋ではなく何故か中村の部屋で起きた。
年寄りの呼びかける声が聞こえたり、バチンバチンとラップ音が鳴り響く。撮影が終わりテレビ局が用意した霊媒師が部屋に入るなり中村を見て「この人やばいよ」と告げた。
すぐさま除霊は始められたがなかなか終わらない。霊媒師は中村に向かって何度も数珠を掲げてはお経を唱え、塩を振りかけた。
1時間ほどすぎて霊媒師はようやく手を止めて中村にこう告げた。「ダメだ、取れない」と。この頃から中村は心霊ロケの番組に頻繁に呼ばれるようになると同時によく霊を見かけるようになった。
中村が踏切の前で下半身が透けているサラリーマンの霊を見かけた。テレビのネタになるかもと考えその霊に話しかけてみた。すると霊は恐ろしい形相で中村を睨み付けた。その瞬間中村の意識は飛んでしまった。
気がつくと見知らぬ男性に「何を考えているんだ!」と怒鳴られているところだった。何が起きたのか分からずしばらく呆然としていた。
だんだんと意識がはっきりとしてきたところで男性に話を聞いてみると、電車が通る寸前の踏切を飛び越えようする中村を発見して慌てて止めたということだった。
霊を見つけてもいたずらに話しかけてはいけないと中村は話している。