昔、敷地の上下で、上が畑、下に家がありました。畑に上がるのに脚立を使っていましたが、危ないのと不便なのとで階段をつけようと父が言い出しました。
母は、ちょうど脚立がおいてある家の敷地の北側の真ん中辺りにつくってほしかったらしいですが、(駐車場で、カーポートもあったので。)父は、そこより少しずれた自分の倉庫のある北側の敷地の角に作るんだと聞きませんでした。
母は、乗り気ではなく、ぶつぶつ言っていました。父は、張り切って
コンクリートで、どっしりとした見事な1メートル位の幅の五段位の階段を作りあげました。
さて明くる朝、父が熱を出しました。風邪かと思って薬を飲んでも治りません。高熱でふーふー言っています。
近所の大学病院にかかりましたが、よくならず。
実は、私の姉が先祖の一人にとり憑かれて、高熱を出していたことが過去にあったので、母は、ピンと来たようでした。
姉の時に観てもらった拝み屋の先生に観てもらいに行くと、先生は、「あら。最近、敷地さわられました?丑寅の神様が怒っておられますよ。」と。
そうです。父は、鬼門に階段を作ってしまったんですね。
「このままだと命とられてしまいます。お断りしてください。」
といわれて、母は、家に帰って、ふーふー言っている父を叱りつけました。
「だから、あんなところに階段を作ったらいけんと言うたでしょうが!私は、なんとなく嫌だったんよ。人の言うことを聞かんから!」
父は、珍しくおとなしく母の言うことを聞いていました。
黙ってはいましたが、明くる朝、熱のある体で、完全には固まっていない階段を壊しました。(さすがに仕事仲間一人を助っ人に呼んでましたが。)
そして、拝み屋さんに言われた通り、そこに二本の木を植えて、ブロック一つを台にして、半紙をおいた上に、どんぶり一杯の塩と、線香を供えて許してくださいと手を合わすこと数週間。(うちの場合は、拝み屋さんが神様に伺いを立てて、神様が言われた日数を決められました。)
作法は詳しくははしょりますが、満願の日に父は、完全に回復。命をとられずに済みました。
おばあさん先生にお礼に行くと、ニコニコ笑いながら、
「ただ、神様は知らずにしたことは心から謝れば許してくださいますが、仏さんはそうはいかないんですよ。聞く耳持たず、と、そっぽ向かれますので。命まで取られてしまう事もあります。今回はよかったですね。命をとられなくて。」
目には見えないけれど、本当にあったことです。
皆様も気を付けてくださいね。