元千葉ロッテマリーンズ投手強盗殺人事件とは
プロ野球選手として活躍した小川博(事件当時42歳)が現役引退後の2004年(平成16年)11月に埼玉県上尾市内で起こした強盗殺人事件の事を指す。
小川博とは
現役時代においてロッテオリオンズ(現:千葉ロッテマリーンズ)で先発投手として活躍し、1988年には最多奪三振を記録してオールスターゲームにも出場した。また引退後もロッテでコーチ・球団職員を歴任していた。
ギャンブル依存症
現役時代からパチンコや競馬等にのめり込んで闇金等から借金を重ねて、自己破産をした。
窃盗?から事件へ
2004年夏頃、小川がロッテ二軍本拠地のロッテ浦和球場(さいたま市南区)選手控え室に入ってすぐに姿を消したことが目撃されていた。ロッテ球団関係者は『デイリースポーツ』(神戸新聞社)の取材に対し「同時期にロレックスの腕時計など選手の所持品・クレジットカードがなくなる事件が頻繁にあり、窃盗の被害届が増えたことから『小川が犯人ではないか?』と噂になっていた」と証言した。
闇金からの借金に加えて、二度にわたり離婚していたため、慰謝料・子供の養育費・住宅ローンなども抱え込んでいた。
強盗殺人
事件直前の2004年11月、小川は金融業者からの借金返済に困窮し、利子など約3万円を返済するため、別の金融業者から現金約10万円を借りたが、その金をパチンコ店で使った。
事件当日(2004年11月18日)18時30分、小川は当日中に返済が必要な3万円の金策のため、勤務先である産廃処理会社の会長宅を訪れた。会長は留守であったため、住み込みで働いていた家政婦の67歳女性が応対。小川は女性に金の無心をした。しかし、同年8月に会長宅で室内が荒らされる事件があったほか、同年11月11日(給料日の翌日)にも上尾市内のアパート(同社が社員寮としていた)で50万円が盗まれる事件が発生していた。どちらも状況から社内の人間の犯行が疑われ、借金のある小川も疑いを持たれていた。
女性は小川の依頼を断ろうとしたが、小川は土下座をして4万円を借りようとした。それでも女性が断ったことに逆上し、突き飛ばして気絶させた。小川は2階のキッチンから封筒に入っていた現金175万円を奪い、さらにその発覚を恐れて、気を失った女性を車に乗せ、車内で女性の顔を何度も殴打し、約3km先の旧荒川に投げ入れ、水死させた。その後、奪った現金で闇金一社からの借金13万円を完済した。
永久欠番の26
小川が使用していた背番号26は、マリーンズのファンナンバーという形で事実上の永久欠番となったが、小川の強盗殺人事件を考慮して使用を凍結したという理由が含まれている。