幽霊船とは、世界各地で語られている心霊現象の一つ。幽霊が舵を取っている船、もしくは無人なのに自由に海上を彷徨う船を指している。突如として消えてしまった船を幽霊船と呼ぶこともある。
・メアリーセレスト号(マリーセレスト号)
幽霊船を代表する船で現在でも多くの謎に包まれている。
1872年にイギリスのグラチア号が大西洋をさまようメアリーセレスト号を発見。メアリーセレスト号はどこに向かうわけでもただ浮かんでいるだけの状態だった。不審に思ったグラチア号の船長と何人かの乗組員はメアリーセレスト号に乗り込んだ。
ところが船内には人間の姿はなくまさに無人の船だった。雨風による痛みはあるものの全体に大きな損傷はなく船を棄てて乗員が消える理由は見当たらない。海賊に襲われたような痕跡もなかった。
さらに船内を調べる一同。すると船長室のテーブルには食べかけの朝食、船員の部屋には食べかけのチキンとシチューが残っていた。いずれもまだ暖かくコーヒーには湯気が立っていた。
洗面所ではついさっきまで誰かがヒゲを剃っていたかのような形跡があったり、調理室では火にかけた鍋がグツグツに煮立っていたなど、まるで乗組員が一瞬にして消え去ってしまったかのような状況だったようだ。
そして船長の航海日誌には「12月4日 我妻、メアリーが」とだけ書き残されていた。現在も真相は不明のままだ。
・バミューダトライアングル
フロリダ半島の先端と大西洋のプエルトリコ、そしてバミューダ諸島を結んだ海域に入り込んだ船は突如として消えてしまうと言われている。バミューダトライアングルと呼ばれるこの海域を進んでいた船はもちろん、海域の上を飛んでいた飛行機までもが消えてしまっている。
バミューダトライアングルによって消えた船は破片一つ発見されず、遺体や遺品も見つかっていないという。ある船は消える直前に「白い水が・・・」という言葉を無線に残している。
天候、磁場、人為的ミスなど様々な角度から調査を行っているが今だにハッキリとした原因は見つかっていない。もしかするとバミューダトライアングルで消えた船が幽霊船となってこの世を彷徨っているのかもしれない。
・リュボーフィオルロバ号
元ソビエトのクルーズ船リュボーフィオルロバ号は2013年に廃船が決まりドミニカ共和国へと送られた。しかし荒波によって船は難破。乗組員は全員救出されたがリュボーフィオルロバ号はそのまま漂流してしまう。
姿を消したリュボーフィオルロバ号には沈没説や幽霊船となって消えてしまったなど様々な説が流れていた。ところが1年後リュボーフィオルロバ号がイギリスに近づいているとの一報が入った。
ネズミは極限状態になると狂暴性が増すという。リュボーフィオルロバ号に潜んでいるネズミも例外ではない。さらに船内には一切の食料を積んでいないという。つまりリュボーフィオルロバ号には生き延びるために共食いを余儀なくされたネズミが乗っているということだ。
凶悪化したネズミは人間にどれだけの影響を与えるか計り知れない。新種のウイルスを持っている可能性もあるのだ。
イギリスの沿岸警備隊はリュボーフィオルロバ号の探索を進め、スコットランド沿岸に船のような物体をレーダーで発見。ところが探索飛行機が周辺を探したもののリュボーフィオルロバ号の姿はどこにもなかった。
いつ現れるかもしれない幽霊船の存在にイギリスは警戒を強めている。