この話は私が仕事で現地を訪れた時に地元の人たちから聞いた話です。
余りにも恐ろしい話なので、細かな場所は特定してません。この町にある日大変なお金持ちの一家が引っ越してきました。
とにかく最高級の庭園も含めた高級木材を惜しみなくふんだんに使った家の作りが半端ではなく地元には不釣り合いなぐらい豪華で、それこそ一見さんや私などが一生入れないような政治家の先生や地元の名士などが入り浸る昔の高級料亭か遊郭かというすごい作りの住宅だったそうです。家族構成は両親と長男と次男それと長女の五人暮らしだそうです。
ご両親が近所付き合いが苦手で、ご近所さんとの交流もほとんどない為、今までどのような仕事をしてどうゆう理由でこの地に越してきたかは聞けずじまいだったそうです。近所の人達が羨むような住宅で暫くして家族の身体に次々と異変が襲いました。
特に長女の方は、当時絶対に治らないと言われた病で早くに亡くなりそれに合わせるように気落ちした両親も相次いで病で亡くなり最終的には長男も亡くなり早い時期に無人の家になりました。昔から手癖が悪く父親と折り合いの悪い二男は盗みに取りつかれ車上荒らしや窃盗などを繰り返しシャバと刑務所を忙しく出入りしていたため唯一無事だったそうです。
父親から勘当され当時社会不在中の次男坊は別にして、何とかこの立派な家を残してほしいとのことで、町内の方々が動き近県の身内の方(年配の方でオヤジさん)を説得して豪邸に住んでもらうことになったそうです。しかしながら、すぐに近所の人達がオヤジさんの異変に気が付いたそうです。
なぜなら家族と一緒に越してくる予定が、いつまでたっつても家族が来ず、オヤジさんは立派な自宅がありながら近所の土産物屋の駐車場で、自家用車に一人で早朝から晩まで缶詰状態で新聞を読んで夜まで過ごしていたようです。このオヤジさんも話嫌いで相当偏屈な人らしく近所の人が心配して話しかけても大きすぎる家は住ずらい。
俺はこうゆう生活が合ってるんだと一切取り合わなかったそうです。さすがのオヤジさんも近所の人の目が気になったのかそれからは少し離れた人気のない海沿いの幅の広い道路の路肩に一日中駐車していたようです。
ある日それまで誰にも話しかけなかったオヤジさんに変化が現れました。あの家に誰かいる。
見たことはないが、誰かいる。次男坊はどんな人間だと近所の人々を見ると聞いて回っていたそうです。
近所の人が訳を聞くと家に帰ると食べ物がゴッソリ無くなっているそうです。たまに金品も無くなると相当慌てていたそうです。
近所の人達で最近次男坊を見かけた者もなくオヤジさんを心配して空き巣被害だろうから第一に警察に相談し対処したほうが良いと説得してその日は終わりました。それからしばらくの間オヤジさんを見かけなかったので、近所の人たちも安心したところ何と、次男坊が家に出入りしてるではありませんか。
近所の人達も怒り心頭でオヤジさんはどうしたと詰め寄ると、オヤジさんはこの家は性に合わない。次男坊のお前がこのまま家を継げばいい。
俺は家族のもとに帰ると言って出ていったと次男坊が信じられないほどまともな話をするではありませんか。当然ながらご近所さんが納得するはずもなく即座に警察が呼ばれ家宅捜索が行われました。
程なく押入れの中からオヤジさんが変わり果てた姿で発見されました。何でも逮捕された次男坊の話ではシャバに復帰しても行き場が無くオヤジさんが留守の間に実家に忍び込み押入れの中で普通に生活していたそうです。
たまたま自分の住み着いた押入れを知らずにオヤジさんが開けてしまい両者が鉢合わせとなり掴み合い殴り合いから年寄りのオヤジさんが殺害されるという最悪の結末を迎えるに至りました。結局オヤジさんが亡くなり大豪邸も取り壊され空き地になり次男坊も殺人罪で刑務所で長期服役中です。
結局何が原因でこうなったのか、何の因縁が原因だっのか分からず仕舞いでしたが、この地域の至る所がミステリースポットで不思議なところでした。長話にお付き合いいただきありがとうございました。
この話はこれで終わります。