40年ほど前に、ライダー達のあいだで密かに広まった伝説があった。
奥多摩の峠道を深夜に自分一台だけでバイクを走らせ、カーブを攻めながら走っていると、離れた後ろからポツリと1つのヘッドライトが、自分のバイクのバックミラーに映りはじめる。
ライダーは追いつかれないようにとスロットルを開いていく………が、しかし後ろからのヘッドライトの光りは、離れようとせずに少しづつ近づいて来る。
「ヤバい!追いつかれるぞっ!」っと、ライダーはさらに必死にスロットルを開き、タイヤのグリップ限界で峠道を飛ばして逃げようとするが、後方からのヘッドライトはすぐ後ろまで追いついて来てしまい、「ドドドドッ!ババババッ!」っと、キャプトンマフラーの爆音を響かせながらいよいよ並んで来た。
危険を感じたライダーは道を譲り、そのバイクを先に行かせようと真横に並んだ瞬間、ライダーはドギモを抜いた。
「乗って無いっ?‼︎」
少し抜かれた瞬間に、そのバイクは一瞬で姿を消してしまった。
ライダーが目撃したバイクは、無人で走る「W1」だった。
と、言うような内容だったのだが、40年たった現在もこの伝説が残っているのか?
不明だが興味はある。
あの頃のように、またバイクに乗りたいものだ。