東京の大学に進学が決まり、東京で一人暮らしをする事になった。
アパートで生活を始めているうちに部屋の壁に小さな穴が開いていることに気づいた。
壁の向こう側には隣の部屋がある。
もしかしたら隣の部屋が覗けるかもしれない。
どんな人が住んでいるんだろう。
悪いとは思ったけど好奇心には勝てず穴を覗いてみた。
すると穴の向こうには真っ赤だった。
床も壁紙も天井も全て真っ赤なのだろうか。
一体どんな人が住んでいるんだろう。
次の日も、また次の日も小さな穴を覗いた。
いつ見ても真っ赤な部屋には人が住んでいる様子を感じられない。
物が何もないのだ。
気になって大家さんに尋ねてみた。
『隣の部屋にはどんな方が住んでいるのですか?』、と。
すると大家さんは答えた。
『あなたの隣に住んでいる人は病気で目が赤いんですよ』