1927年に国の天然記念物に指定され、寒冷地のヤマドリゼンマイと暖地性のテツホシダが共存する稀有な生態系を持つ。しかし、この自然の美しさの裏には、心霊現象を連想させる伝説が存在する。地元に伝わる「おいの伝説」では、蛇が棲む底なし沼に娘が引き込まれたとされ、和歌山県の民話集にも類似の記録が残る。この話は、浮島がかつて沼沢池だった時代の記憶と結びつき、心霊的なイメージを植え付けた一因と考えられる。自然の不思議と人の想像力が融合し、浮島の森は単なる植物群落を超えた存在となった。