和歌山県の山奥には本来はあるはずのないトンネルが現れるといった噂がある。
温泉旅行に訪れた観光客が旅館に向かう途中、古いトンネルに差し掛かった。しかしそのトンネルはどんなに進んでも出口に辿り着かない。不審に思ったがトンネルの道幅は狭くUターンをして引き返すこともできず進み続けるしかなかった。
トンネルに入ってから10分が過ぎようとしたころ、突然かべが崩れ頭上から岩が落下してきた。もうだめだと思い顔を伏せる。
気がつくと車は森の中に止まっていた。後ろを振り返るがトンネルはどこにもない。
「もしかしたらトンネルを走っているときに気を失ってしまい無意識に走り続けていたのかもしれない。落盤は夢だったのだろう」
自分の行動にゾっとしながらも事故が起きなかった奇跡に感謝した。そこからは慎重に運転してなんとか旅館に到着した。
彼は一息つくと、女将さんにさっきあった出来事を話した。大変でしたねと驚きの表情をするかと思ったが、女将さんはなぜか首をかしげている。そして、
「ここに来る途中にそんな古いトンネルはないはずですけど」
と答えた。
和歌山県の山奥で古いトンネルがあったら入らずに引き返したほうがいい。二度とこの世には戻ってこれなくなるかもしれない。
どんな幽霊が出ましたか?
少年0
男性0
老爺0
動物1
少女0
女性6
老婆2
正体不明3
↑ボタンをタップすると投票できます(3回まで)