1982年のスペイン大会
6月21日のフランス対クウェート戦で3対1でフランス優勢の状況にあった後半40分に事件が起きた。フランス選手アラン・ジレスの放ったシュートがクウェートのゴールネットを揺らし、ストパール主審が一旦はゴールを宣言した。しかし、クウェート側から「プラティニのパス直後のタイミングでスタンドから笛の音が聞こえ、それをオフサイドと勘違いしてプレーを止めた」という抗議がなされた。観戦中だったクウェートのファハド王子(当時)がメインスタンドから選手達にピッチからの引き上げを命ずるようなジェスチャーを送った。審判団と大会役員が選手の説得に試みるが収拾がつかず、さらに王子がピッチに乱入し何事かを審判に告げたところ、「不測の事態が起こった」という理由によって、フランスの得点は取り消され、3対1のままでの試合再開となった。結局、試合そのものはフランスがその後に1点追加して4対1で大勝で終えた。
騒動後
ウクライナ人のストパール主審 一時資格停止処分
ファハド王子 警告処分
クウェートサッカー協会 25,000スイスフランの罰金。
ファハド王子のその後
ファハド王子はクウェート侵攻の際にイラク軍によって射殺された。