山岳部の仲間が暗い顔をしていた。
「どうしたんだ?」
悩みでもあるのかと思い尋ねる。
「俺さ,富士山は諦めようと思うんだ。」
「なんで?」
「やっぱり高嶺だよ。」
御嶽山や八ヶ岳だって登っているのだから,弱気になる必要はない。
「まぁ。確かに高いな。でも,一歩一歩確実に進めば絶対にイケるって!」
「そうかな?」
「そうだよ!無理だなんて言わずに,まずは挑戦しろよ」
俺の言葉と聞き,彼はふっきれたような顔をしてうなずいた。
数カ月後。
彼はストーカー容疑で捕まった。
“藤”という女性に付きまとっていたらしい。