昔、高級外車を購入したおじさんがいた。
外車にしては安い方で、気に入ったと言っていた。
特に修理歴もなく、少し年式は古かった位だったらしい。
さて、ある日、交差点で突然エンストした。そのときはすぐにエンジンはかかり、特に気にはしなかった。その数日後、事故をした。右折待ちしていると、助手席の方に当たってきたらしい。車はそう壊れておらず、修理だけした。
修理から帰ってきて、乗っていると自損事故をした。ブレーキがかからず、縁石に乗り上げて止まったと言っていた。見た目大したことはなかったが、すぐに車屋に電話してもって帰ってもらい、メンテナンスしてもらったが、特に異常はないと言われた。
ここまで来ると、さすがに奥さんの方は気持ち悪くなった。
おじさんは特に気にすることはなく、偶然だといっていたらしいが。
そして、ほどなく正面衝突の事故を起こした。
軽自動車が、ふらふらと来たらしい。
おじさんは数日入院した。
修理はしたものの、おじさんももう乗る気にはならず、購入した中古車店で下取りに出して新古車を購入したという。
ある日のこと、おじさんの息子が顔色を変えて帰ってきた。
「お父さん、前の車ナンバー⚪⚪⚪⚪?」
確か、そうだったと思うと答えると、今日、事故渋滞にはまって通りすがりに見たら、見覚えのある色の外車が、大破していたとのこと。
運転席は、ぐしゃぐしゃだったけれど、何気なく後ろのナンバーを見たら、見覚えのあるナンバーだったということだった。
皆でゾッとしたと言っていた。
あのまま乗っていたら、今ごろはうちの旦那が死んでいたわ、と、奥さん、
拝み屋さんにその話をしたら、事故車だったとのこと。
そのまま乗っていたら、今ごろは命がなかったでしょうと。
寸前のところで命拾いしたおじさんの話。
こわや、こわや。