私がまだ小学3年生くらいの頃でした。
当時の電話ボックスは全体的にクリーム色の箱で、上半身が見える程度のガラス窓になっていました。
ある日、まだそれほど暗くない夕方でした。
遊びから帰宅するためによく通る、道の途中にある電話ボックスの窓の中に、女性らしき顔がある事に気がついた距離が約30mほど手前あたりで、とぼとぼ歩きながら景色をチラ見しつつ何度か電話ボックスも見ながら近づいていくと…異変に気づきました。
それは頭だけが浮かんでいて身体が見えず、電話ボックス奥の電話機が見えているのです。
おもわず「なんだよ!おどかすなよ!」っと小声でつぶやくと、その顔はスッと消えて無くなりました。
私が霊的なものを見始めたいちばん古い記憶が、幼稚園か小学1年生くらいからあり、この電話ボックスまでの体験が何度かあったので強い恐怖は感じませんが、気持ち悪い感じはありました。
このあと無事に帰宅すると、おふくろが夕飯のしたくで台所に立っていたので、今あった話しをすると、不意に振り向き私の顔を5秒くらいガン見すると、「ヤダわホントだね、変なモン見ちゃったわね、でも憑いてないから大丈夫よ。」とだけ言って、何事もなかったように夕飯作りに戻りました。
私は幼な心ながら、「それだけ?」と悲しくなったような記憶がぼんやりあります。
ウチは、ばあちゃんの時代から霊感が強いみたいで、変に慣れっこになってしまっているようで、逆に危険かも知れない。