東山区松原通の六道の辻近くにある飴屋で、なんと500年近い歴史がある老舗。昔、この辺りは京都の葬送地の1つである鳥辺山の入口にあたる場所だったため、「六道の辻」という名前が付いたと言われる。
幽霊子育飴の由来については、慶長4年(1599年)に起きた事件が発端になっているそうだ。この年、江村久茂氏の妻を葬った直後、店に夜遅く飴を買い求めに来る女がいた。不審に思った店主が女の後をつけると、女は墓地の方へ向かい、1つの墓の前に来るとフッと消えてしまった。そしてその墓の中からは、赤ん坊の泣き声が聞こえてきた。死んだ母親は、墓の中で生まれた赤子を育てる一心で飴を買いに来ていたのだ。
これと似たような民話は長崎の光源寺やその他の地域にも分布しているが、どうも死んだ母親が墓の中で子を産むという話は日本オリジナルのものではなく、原型は中国の志怪小説、さらに遡ると仏典にあるらしい。中国の話は南宋時代に編纂された『夷堅志』に書かれていて、これは日本の子育て幽霊と非常によく似ている。また仏典の方は、『仏説旃陀越国王経』に似た話があるらしい。
ちなみに子育て幽霊の話は、水木しげる氏の『ゲゲゲの鬼太郎』の前身である『墓場鬼太郎』のモチーフにもなっている(鬼太郎は、死んだ母親の胎内から生まれた片目の少年という設定)。
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