幼少期にお化けの存在を感じていたにも関わらず、霊の存在を忘れ、霊を信じていなかった時期がありました。
ほんの好奇心だったんです。
合わせ鏡をしてみたい、と。
使った鏡はランドセル置き場に付いていたなんの変哲もない鏡と父親がいらないからと渡されたごく普通の手鏡。
渡された手鏡は、違和感がありました。
なんの変哲もない手鏡で、デザインはシンプルな物でしたから気に入らなかったわけではありません。
唯々、違和感があった。好きじゃないと思った。
ですが、好奇心には抗えす合わせ鏡をしたんです。
そしたら、遠くから太鼓の音が聞こえてきました。
お盆の祭りで使われるかのような太鼓の音です。
ですが、時刻は夜。
近くの神社がお祭りを夜にやる訳も有りませんし、急に太鼓の音だけ聞こえてくるのも可笑しいのです。
異常に気付き、すぐに手鏡を外しました。
そしたら、ピタリと太鼓の音は止みました。
家族に聞いてみても誰も太鼓の音を聞いていなかったと言います。
合わせ鏡は片方の鏡がホンモノだと霊道を作り出してしまいます。
もしも、手鏡を外さずにいたら、どうなっていたのでしょうか。
父親に呪いの鏡を返したまま行方不明なので、見つかったらお祓いに持って行こうと思います。