この話しは「親父の戦友達」と同時進行する、別の角度から聞いた話しです。
話しの主は私から見て祖母で、「親父の母親」から聞いたものになります。
召集令状(赤紙)を届けに来た人物は大きな声で、
「おめでとう御座います!礼状を届けにまいりました!」と、近所に響き渡るほどの声で来たそうです。
「ああ、これでやっと周りから認めてもらえる…」
世の中の人達はまるで洗脳されたように、そう思わざるをえない心境になっていたそうです。
そしていざ息子が兵士として、戦地へ向かい出発する時、近所の人達が道に参列して「バンザーイ!バンザーイ!」と両腕を上下に振って見送りをしたのだと…
「何がおめでとう御座いますだ?何がバンザイだ?」
祖母はその後、自問自答に大変苦しんだそうです。
「御国のためとは言え、死にに行くのに…」
もちろんそんな事は、「口が裂けても絶対誰にも言えない世の中で、ただひたすら我慢して誰にもバレないように、声すら出せないまま一人きりで泣いた。」とも言っていた。
戦地で息子が負傷して死にかけたとき、得体の知れない胸騒ぎと冷や汗が噴き出したらしいです。
後々の報告で日時が合っていたそう。
この現象はやはり親子の魂のつながりと言うべきなのだと考えるしかないように思う。
これに似た話しを、他でもいくつか聞いた事があります。
最期の息子の声が聞こえたと言う母親も居るそうです。
魂は神聖なる世界の中で生き続けて行くのでしょう。
今、私がここに存在していると言う事の意味をさかのぼり考える。
あの時、私の親父となる人が他の戦友達と共に戦死していたら……
私は今ここに存在しない。
皆さんの中には「戦争なんて関係無い」と言う世代の人も多いとは思いますが、皆さんが今こうして地球上に人として産まれてきたと言う事は、先祖代々あってこその奇跡的な宝物です。
大切にしてくださいね。