光源寺には産女(うぐめ)という霊の彫像と掛け軸が奉られています。
産女にはある逸話があります。
飴を買いに来る女という話を聞いた事があるでしょうか?
とある飴屋に夜になると一文銭で飴を買っていく女がいました。
女は物静かでひと気のない時間にいつのまにか店に入ってきては飴を受け取るとスーっと立ち去っていく。
飴屋の主人は最初は不思議に思いましたが、悪い人間には見えなかったので三日目からは特に気にする様子もありません。
しかし七日目の夜、女はお金がないので飴をただでめぐんで欲しいと頼みます。
必死に頼み込む女の姿に主人は仕方なく飴を渡してやりました。
頭を下げ飴と受け取ると女はいつものようにスーっと店から出て行った。
そしてその後を主人はこっそりと追いました。
光源寺の裏手に回り、墓地で女は姿を消しました。
主人が辺りを探していると赤ん坊の泣き声が聞こえてきます。
驚いた主人は住職を呼び、墓を掘り返したところなんと棺の中に女の亡骸と赤ん坊が入っていたのです。
母親は埋葬された後に子供を産み、三途の河の渡し賃である六文銭で飴を買って赤ん坊に与えていたのでした。
それから光源寺ではその女を産女と名づけ、死んでもなお子供を育てる母親の強い想いに尊敬の念を込め彫像と掛け軸の形で奉っているのです。
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