解体された奈良ドリームランド近く、県道44号線の上に架かる陸橋。地上から40ｍほどの位置にある橋のため、昔は飛び降り自殺が多かったと言われている。
黒髪山稲荷神社から黒髪橋にかけて女性の霊の目撃情報がある。また真偽のほどは不明だが、黒髪山は大昔に処刑場があった場所だとされ、山一帯の空気が淀(よど)んでると言う人もいる。
また黒髪山にはこんな伝説もある。垂仁天皇の時代、垂仁天皇皇后であった狭穂姫(さほひめ)には、狭穂彦王という兄がいた。ある時、狭穂彦王は天皇の位をねらって反乱を起こした。狭穂姫は天皇と兄の間で板挟みになり、悩んだあげく兄のもとへ行った。狭穂姫はこの時、垂仁天皇の皇子を身籠っており、産まれた皇子を天皇側の軍に引き渡すと、自分は逃げるために黒髪を切り落とし、この山に埋めたと伝えられている。こんな謂れから、この山が黒髪山と呼ばれるようになったそうだ。
なお心霊と関係ないが、橋の下には幻の鉄道と言われる大仏鉄道の黒髪山トンネル跡がある。明治31年(1898)から明治40年(1907)の9年間、加茂から木津を経て、奈良に向かう大仏鉄道がここを通っていた。鉄道が廃止された後、廃線区間は道路(県道44号線)となりトンネルもそのまま残っていた。しかし昭和39年(1964)の道路拡幅で山を切り崩して切通しにしたため、トンネルは消滅。切り通しの上に架けられた陸橋が現在の黒髪橋である。
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