ある寒い冬の夜。
狭い三畳ほどの二階の角部屋で、襖を締め切って寝ていたら、不意に何かがお腹の上を走ったんだそうです。
はっとして目を開けると、20センチほどの、小さな鬼のような怖いかおをした化け物と目があったそうで、向こうもびっくりしたようだったと言っていました。
その後、声も出せずにいたら、お腹の上をずらすらと様々な容姿の化け物が集団で走っていったそうで、さすがに大声を出してしまったと言っていました。
いわゆる百鬼夜行たったみたいで、丁度そのへやは鬼門方向にあって、その人がたまたま寝転んだ部屋の中央は、鬼門から裏鬼門を結んだライン上をお腹でさえぎっていたそうです。その人はそれから鬼門の部屋では寝なかったそうです。
たまたまだったのか、それはわかりませんが、ずっと鬼門の部屋で寝ていたら、百鬼夜行に出会えるかもしれませんね。
ただ、他の怖い体験をする可能性もありますが....。