母の体験です。
東北地方に父と旅行して旅行から帰った晩のこと。
母は、夢を見ました。
どこかはわからなかったといっていましたが、水辺で、立っていると、女の人が白い着物を着て水に入っていくので、母は、あわてて誰か呼ぼうと辺りを探しましたが、誰もいません。
長い髪がふわっと水に浮いて水面に広がったとき、なぜか岸辺にいた母も、その冷たさと一歩一歩水の中に入っていく感じがリアルに感じられたと言います。
はっと目が覚めて、あまりにもリアルな感触に、怖かったと言いました。
母の夢は拝み屋さんが、お告げですよといっていた位霊感が強かったため、ただの夢として片付けてはいけないと昔から言われていたので、母は、父に話をしました。
(この頃、私は結婚して他の県にいたのでことの顛末は電話で聞きました。)
父は、その話を聞いて黙って何か考えていたそうですか、握りこぶし大の石を出してきたそうです。
母が聞くと、田沢湖畔で拾ってきたとのこと。ちょうどたつ子姫の像があるそばで、拾ったと言いました。
電話で話を聞いたとき、その石は、返した方がいいと直感で思いました。私の姉もその話を聞いたとき返した方がいいと答えたといっていました。
人身御供という言葉が頭に浮かんだのです。
とりあえず、遠くの県でしたが、二人はあわてて石を返しに再度東北にいきました。石は、たつ子姫の像のそばにある神社に返してきたそうです。丁重に謝り、酒と塩を備えてきたと言っていました。
そのあと帰ろうとして、道まで出たところ、おばさんが二人いて、話をしていたそうですが、何気なく話の内容が聞こえてきて、「ここは、きれいな湖だ。」「ここでものをとったり石や、砂を持って帰ったらいけない。いいことはないから。」と言ったと言っていました。
きっと、聞け、悟れ、で、きっと湖の神様がしゃべらせてたのかな、と、思います。
特に以後、悪いことは起こりませんでしたが、母が夢を見ず、父がずっと石を持っていたらどうなったか、少し怖い気がします。
皆様も石とか砂とか植物なと、黙って持ち帰らないようにした方がいいと思います。