むかし、
近所にちょっと変わった家族が住んでいた。
とりわけ何もない様に見える。
しかしだ、
その家族はことある事に
近所の家々の事情を
誰かに報告している様です。
そんなある日、
自分の勤めていた
会社にテレビの取材が入った。
ただ、
近所には言ってはいないが、
親には言った。
しかし、
その話をした途端に
窓から例の近所の家族が
車のドアを閉めて発進させた。
あんまり気にしない様にしていたけど。
それから、
「番組の特集の放送が中止になった」と会社に連絡があった。
母が楽しみにしていたのだけど、仕方ないと思った。
理由を聞いたら、
「ほかのニュースが入ってきてやむなく差し替えになった」
よくある事。
その後、そのテレビ局から
お詫びにアナウンサーが
自らリポートがあった。
自分が担当する事になり、
そのアナウンサーのアナウンスに対する評判が良い方だったので、リポートする際にほめてくれて嬉しかった。
そして、また会社から帰ったあとに親に報告。
「良かったね。」と
お互いに喜んだ。
しかし、また窓の外から車のドアを閉める音が聞こえてきて、
例の近所の家族が車を発進させてどこかに行った。
それからまた数日後、
通常通り、放送されたが、
そのアナウンサーが異動する
事になった。
ネットでは「寂しい。またリポートを見たい。」とか「丁寧なアナウンス技術で、多くの人に注意を促す呼びかけが出来るアナウンスだったから、このまま番組にいて欲しかった」
と言う意見がたくさん。
しかし、これも致し方ない事なのは分かっていた。
すると、あの近所の家族の家に大きな一台のトラックが止まった。
いわゆる宅配便のトラックである。
「いつもはあまり届かないのになんだろう。」と思った。
出てきた家族の一人が凄く嬉しそうにして受け取っていたから、何か身内であったのかと思った。
それから、数日後、
近所からある噂が飛んできた。
近所の友達Aという人から
びっくりする話を聞いた。
「あのな。ここだけの話。
あの近所の家族はな。
人の夢を壊してばかり
いるらしい。
その夢が叶わないとなれば
必ずその家族の人が欲しい物が渡されるらしい。
まず、近所の
誰かの噂を聞いたら
必ずその人の周りにいる
関係者とかに、
その人物の夢を
こわす様に伝え、
まず本人が思っている事とは
180度違う様にしかけるらしい。
あと、その夢をこわせなくて、叶った時は、恐ろしい内容の願掛けをするらしい。
あと、メモを必ず残している説もあって、近所の人は何も言えないらしい。
君は早く親と一緒に...」
と言った所で電話がなり
親から早く家に帰ってくる様に言われた。
「それじゃあ、またね。」と
急ぎ足で帰るが、振り返ると
近所の友達のAが浮かない顔で、
こちらをずっと見ていた。
その後、不思議な事に
うちの家は引っ越した。
「え?。引っ越しができた理由ですか?。」
「それはあの近所の
家族に知られると
恐ろしい事になるから
言えません。」
おわり。