これは鉄道ファンの私が作った話です。
男は郊外(と言っても田舎に近い)から都会の会社まで車で通勤している。
この日は残業と同僚の手伝いで、いつもより遅くなってしまい、会社を出た時は既に午後9時半を回っていました。焦っていて赤信号を見落としてしまい、渡っていた老人をはねてしまった。男は怖くなり、そのまま立ち去ってしまった。
それから何年か経ち、男は電車で通勤するようになった。この日は上司に飲み会に誘われ、あとちょっとのところで終電が行ってしまいました。仕方なく駅で寝ることにしました。朝一番の始発に乗って急いで家に帰って、風呂と朝食を済ませば始業に間に合うと思ったからだ。しばらくしてうとうと寝てしまったのですが、「ファァァーン」と言う音で目を覚ましました。ホームは照明が消えていて真っ暗で、ただ電車のライトだけが見えると言う状態でした。
回送電車かと思いましたが、だんだんと速度が落ち、停車しました。通勤で使っている見慣れたあずき色の電車で、車内にはグリーンの椅子が並んでいました。最終電車はとっくに行ってしまったのにどうしてだろうと思いましたが、「ラッキー」と思い椅子に腰掛けると電車はすぐに発車しました。この車両にはもう一人老人がのっていたので、「この電車は最終ですか。」と聞くと「いや、違うよ。」と答えてので、勘違いだと思いました。改めて老人に「この電車はどこ行きですか」と聞くと、老人は顔を上げて「この電車は私の家に行くのよ。」と言った瞬間、男はゾッとしました。なぜならその老人は数年前にはねた老人だったからです。この後、男の姿を見た人は居ません。