ポケモンには『スプーンまげ』を使うユンゲラーというモンスターがいる。これはあの有名な手品師ユリゲラーを模しているのは誰の目から見ても明らかだ。
もちろんユリゲラー本人もそう考え、スプーンを曲げる超能力を使うキャラクターは自分のイメージが使われているとして肖像権侵害で任天堂を訴えた。
たしかにユリゲラーの主張も分からなくもないが賠償金に100億円という膨大な金額を提示してきたのだからお金目的の提訴と考えて良いだろう。
だがユリゲラーをモデルにしているのは明白、これは任天堂側が和解に歩み寄るしかないとだれもが思っていた。しかし事態は意外な方向へと転換する。それは裁判での任天堂弁護士のこの一言だった。
『このユンゲラーというキャラクターは超能力が使えます。もしあなたをマネしていると言うのなら是非ここで超能力を使ってみてください』
この冗談とも受け取れる皮肉混じりの口上にユリゲラーは言葉を返す事ができず、結局これがきっかけで控訴を取り下げる事となった。
難航すると思われた裁判だったが弁護士の一言であっさりと解決したのだった。
どうやら超能力を使ったのはこの弁護士だったようだ。