悲恋の滝……掟により叶わなかった恋。なんと悲しく理不尽なことか、どれほど悔しかったことか。吾平と琴路の気持ちたるや計り知れない。今から遠い昔、青年吾平は、別の村に住む琴路と恋仲になった。だが、彼らの住む両村はいがみ合っており、その二人の恋を決して許さなかった。両村から迫害され行き場を失った二人は、後に琴路淵という名が付く大淵に辿り着き、そこに身を投げた。この二人の遺体は発見されたさい、まるで抱き合うように折り重なった状態で見つかったという。そしてこの二人の悲恋を悼み、この滝には琴路の滝という名が付けられた。滝を見学することが出来る展望台には、この悲恋の経緯が書かれた案内板と、この二人の御霊を鎮める供養塔が建てられている。