鳳宮池(ほうぐういけ)。別名「本宮池」とも呼ばれる岡山県と兵庫県との境、山伏峠近くにある溜池。人柱伝説があり池のわきを通る県道90号線の道端に女の霊が出ると言われる。
この池の築造を命じたのは、「忠臣蔵」で有名な赤穂藩主・浅野内匠頭(あさのたくみのかみ)。江戸時代中期の船坂地域は慢性的な水不足であり、少し日照りが続くと干ばつに見舞われていたため、溜池の建設が急務であった。赤穂藩は七つの谷が合流するこの場所に小さな天然池があるのを見つけて、ここに堤を築けば立派な貯水池ができると考え、元禄5年(1692)に工事を着工。
しかし豪雨のたびに建設中の堤が決壊し、工事は難航を極めた。ついには人柱を立てなければならないという話になり、庄屋さんは「わしの娘を人柱にたててくれ」と言い、12歳になる庄屋の一人娘「しの」を人柱に立てることにした。しのを堤に埋める当日、しのの祖父母は孫娘の白装束姿を見るに忍びず、しのと一緒に人柱になることを望んだため、しのと祖父母の計3人が堤に埋められた。
その後工事は無事完了し、人々は池のほとりに地蔵を建て、しのの霊を慰めたという。現在池のほとりには確かに地蔵がある。ところがこの地蔵の台座には、嘉永四年(1851)と刻まれており、江戸時代中期の元禄からは150年近くも後の時代のものだ。このためこの地蔵が上記民話の地蔵なのかはよくわからないが、人々が古くなった地蔵を作り直して祀ったとも考えられる。
また県道90号線道端に現れるとされる女性の霊が、人柱にされた「しの」と関係があるのかどうかも不明だが、上記の伝説から女性の霊は人柱にされたしのの霊と信じられている。
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