林業
昔、蓋沼という沼で高級な杉の芯材を採るためにいったん杉の木を沼に沈め、樹皮や枝打ち跡のある柔らかい部分を腐らせ、引き上げてから硬くて腐らなかった芯だけを採る作業をしていた。
重機でのけん引で引き上げ作業をしていたが、忙しい時には馬に紐を括り付けて引かせるという昔ながらのやり方でも事を進めていたらしい。
馬一頭で沼の斜面から重い木材が引き上げられるはずもなく、馬と人でやっていたそうだが、これが大変危険な作業で、力尽きた馬ごと沼へ転落なんてことがしばしばあった。
この作業で最も危険なのが春先だ。
雪解けでぬかるんだ斜面での作業、そして増水した沼の冷水。
昔からこの季節の事故では馬と共に沼に落ちて助からない人が出た。
心霊現象
毎年雪解けの季節になると馬の足音を聞く人達が続出している。
馬の足音は、沼の斜面から重い木材が引き上げようとして沼に落ちた馬の霊だろうか?
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