戸塚区の南西部に位置するおよそ3.2ヘクタールの小さな森。この土地はもともと、スイス人建築家のアーノルド・ウィトリッヒ氏(Arnold Wittlich?)が所有していた山林だという。ウィトリッヒ氏は1930年頃に来日し、ウイトリッヒの森および周辺の田畑を1941年に購入したようだ。そして1983年に氏が亡くなられた後、奥様が横浜市に土地を寄贈したのだという。
この森についての曰くだが、以前ホームレスと思しき人の遺体が見つかったことが数件あった以外、これと言った曰くはないらしい。ではなぜ心霊スポットなのかというと、どうも森自体ではなく、隣接していた養老院で昔大きな火災があり、多くの犠牲者が出たため心霊的な噂がたったようだ。
この火災は「聖母の園養老院火災」と呼ばれ、1955年2月17日の未明に発生した。当時は戦後すぐの貧しい時代ということもあり、養老院の入所者は戦災などで身寄りをなくした60歳以上の老女たちで、足腰の不自由な方が多かったそうだ。
それに加え多くの人が就寝中の未明の火事だったこと、木造2階建てで現在のような防火対策が無かったことが災いして、入所者143名の内95名が焼死する大惨事となった(火事の犠牲者は入所者95名、職員2名、おそらく面会に来ていた入所者の親族と思われる身元不明者2名の計99名の死者)。
この火災の犠牲者の一部はウィトリッヒの森の一画に埋葬されていたという。昔は十字架の墓標が森の中にあったと言われるが、現在は見当たらないので、おそらく別の場所に改葬されたのだろう。この火災以降、火災で亡くなった人の幽霊が森の中を徘徊するという噂が一部で広まったらしい。
なお、下記の新聞記事は2012年の身元不明遺体発見のニュースだが、ウィトリッヒの森で身元不明遺体が発見されることは、これ以前にも数件あったらしい。
【戸塚区の雑木林から白骨化遺体/横浜】
11日午前10時40分ごろ、横浜市戸塚区俣野町の「ウイトリッヒの森」で、白骨化した遺体があるのを清掃中の女性(63)が見つけ、110番通報した。戸塚署が死因や身元を調べている。
同署によると、遺体は遊歩道から約5メートル入った雑木林の土の中で、あおむけに横たわっていた。身長は165センチぐらいで、骨格などから男性とみられるという。紺色スエットに黒色ズボンを着用していた。
(神奈川新聞 2012年2月11日(土) 22:33)
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