猿沢池(さるさわいけ、さるさわのいけ)。奈良公園内にある周囲360メートル程の小さな池で、興福寺五重塔と柳が水面に映る姿が美しく、奈良八景のひとつに数えられている。
この池の歴史は古く、もともと興福寺が行う「放生会(ほうじょうえ)」の放生池として、奈良時代の天平21年(749)に造られた人工池だという。放生会とは、仏教の戒律である不殺生に基づいた風習で、捕獲した魚や鳥獣を野に放し、殺生を戒めるために行われる宗教儀式だそうだ。
この池が心霊スポットと言われる所以は、この池に伝わる采女(うねめ)伝説が関係している。采女とは奈良時代の官職で、宮中で天皇や皇后の食事など身の回りの世話をする専門の女官のことらしい(名目上は配膳係だか、諸国から容姿に優れた者が献上されていたため、実質妾ということも多かったようだ)。
ある時1人の采女が、天皇の寵愛(ちょうあい)が衰えたことを嘆いて、この池で入水自殺したのだという。そしてこの采女の霊を慰めるために建立されたのが、池のほとりにある采女神社(うねめじんじゃ)だという話だ。今でも毎年旧暦の8月15日にこの采女の霊を慰めるために采女祭という例祭が行なわれている。
噂によれば、失恋した女性や自殺した采女と似たような境遇の女性が池の近くに来ると、この采女の霊が現れるのだという。そしてこの采女の霊に誘われると、その気がなくてもフラフラと池の方に導かれ、池に落ちてしまうらしい。
どんな幽霊が出ましたか?
少年0
男性7
老爺0
動物14
少女24
女性36
老婆1
正体不明1
↑ボタンをタップすると投票できます(3回まで)