この城は戦国時代の永禄9年(1566)、甲斐の武田氏による攻撃を受けて落城している。落城の際、城主の長野業盛は自害し、多くの武将が討ち死にした。
ここではやはり鎧武者の霊や白い女性の霊の目撃情報がある。霊感が強い人が行くと、原因不明の頭痛、あるいは体調不良のような霊障にあう可能性が高いという。古井戸を覗き込んで落武者の霊に憑依された人もいるらしい。
討死にした武将の怨念も強いが、このような強い霊障を引き起こしている怨念の主は、箕輪城の前城主であった長野業正の妻、藤鶴姫だという話もある。地元の言い伝えによれば、藤鶴姫が自害した場所は箕輪城から少し西に離れた場所だが、姫の魂は今でも思い入れの深い箕輪城に住み着いているのかもしれない。
箕輪城落城の際、姫は数人の家臣たちと共に城を脱出した。長野氏は上杉氏の家臣であるため、姫は上杉氏を頼りに越後へ向かっていた。しかし、高野谷戸付近で後ろから呼び声が聞こえた。姫は武田方の追手が迫っていると思い、もはやこれまでと近くのお堂で自害してしまった。実は姫が追手と勘違いした呼び声は、姫を後から追っていた家臣の呼び声だったのだ。
味方を敵と勘違いしての自害だったため、死んでも死にきれず、無念の思いが残り霊障を引き起こしているのかもしれない。ちなみに姫の墓は、今でも高崎市倉渕町三ノ倉の高野谷戸バス停付近にあるらしい。
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