「ママー!ママー!」と泣き叫ぶ子供の隣で女性が顔を伏せている。女性はゆっくりと起き上がると注射器を手にとり、虚ろな目で注射痕だらけの腕に針をあてる。そしてまた机に顔を伏せる。子供はさらに泣き叫ぶ。
これは覚せい剤中毒になってしまった母親を描いたCMだ。救急車のサイレンとともに母親は消え、暗闇に子供ひとり取り残されてしまうといった内容。
1982年に政府広報が覚せい剤防止キャンペーンの一環として制作したものだが、怖すぎるとして抗議が続出し放送中止となった。
覚せい剤の恐怖を教えるCMとしては成功だったかもしれないが、お茶の間で突然このようなCMが流れるのもキツイだろう。