1960年10月12日、日本社会党委員長である浅沼稲次郎氏が日比谷公会堂で演説中に暗殺された。犯人は17歳の少年だった。
演説会は自民・社会・民社による三党首立会、会場には1000人を超える聴衆が集まった。都選管委員長の挨拶に対して右翼グループからは「やめろ!貴様の出る幕じゃないぞ!」と野次があがり、その発言に対して「うるさい!黙って聞け!」と怒声があがあるなど演説会は冒頭から荒れまくっていた。
2階から「中共、ソ連の手先、容共社会党を粉砕せよ!」と書かれたビラを撒いて警察官に取り押さえられる者もでた。
そんな中、動じることもなく演説を続けていたのが浅沼稲次郎氏だ。「演説をやめろ!」「浅沼は売国奴だ!」などと野次が飛び交うが浅沼氏は構わず演説をやめない。
さらに野次が激しくなり演説が聞こえなくなったため一時中断。司会者がその場を鎮め演説は再開。浅沼氏がマイクを取って演説を始めた。
その時、ジャンパーを来た少年が壇上へ駆けあがりナイフで浅沼氏の胸を2度刺した。浅沼氏はよろめきながら後ろに倒れた。その後病院にて死亡が確認。
この様子はNHKにて一部始終が生放送されていた。