川崎市中原区と東京都大田区を隔てる多摩川にある取水堰。昭和11年(1936)に飲料水の供給のため作られたが、その後高度経済成長期に入ると多摩川の水質が汚染されたため、1970年以降飲料水の供給を停止し、現在工業用水だけを供給している。
現在はあまり心霊スポットと認識されることは少ないが、昭和中期(1950~1960年代)に周辺で水難事故、殺人事件、その他の事件が頻発し、心霊スポットとして名をはせたらしい。その当時は多摩川で溺れた人の霊に川に引きずり込まれれる、あるいは川の近くで白い人影と見たとか、真っ黒こげの女性の幽霊を見たなどの話が聞かれたそうだ。
心霊スポットと呼ばれるようになる事件のきっかけは昭和29年(1954)の事だった。7月16日、高校生2人がボートを借りて堰の近くを漕いでいたところ、突然ボートが転覆しこの事故で高校生1名が死亡。なおこの事故の2日前の7月14日には、多摩川河川敷で心中を装った殺人事件が起きている。三角関係のもつれから、男性と共犯の女性がもう一人の女性を殺害して遺体を多摩川に捨て、自らも多摩川に入って心中を装ったという事件だ。
この事件を皮切りに次々と水難事故が発生し、この年だけで取水堰周辺で水難事故、事件で亡くなったり行方不明になった犠牲者の数は10名を超えた。さらに3年後の1957年にも5名の犠牲者を出している。
なお真っ黒こげの女性の霊が出るという話については、1967年に多摩川河川敷で起きた女性焼殺事件の犠牲者の霊ではないかと噂されている。これは当時29歳の外交官の令嬢が交際相手の男性に殺害された事件。男性は妻子持ちであるにも関わらず外交官令嬢と交際していたが、妻子持ちであることが発覚し、令嬢に詰め寄られたため殺害を計画。令嬢を多摩川河川敷に連れて行き、ガソリンをかけて生きたまま焼殺したという残忍な事件だ。
最近では心霊スポットとしてはメジャーでないという話だが、昭和後期、平成に入ってからもちょくちょく事件は起きており、直近では2021年5月4日に取水堰の対岸の川崎市側の河原で、友達とバーベキューをしていた会社員の男性(20)が川に入り、そのまま溺死するという事故が発生している。
どんな幽霊が出ましたか?
少年5
男性6
老爺0
動物0
少女0
女性26
老婆0
正体不明1
↑ボタンをタップすると投票できます(3回まで)