この湖には夜になると湖底に沈んだ鐘が鳴るという伝説がある。
この湖で語られる鐘の謂れはこんな話だ。昔、信濃国分寺に大変音の良いつり鐘があった。ある男がこの鐘の音を朝な夕なに聞きたいと思い、とうとう思い余ってこの鐘を盗んでしまった。男はつり鐘を担いで湖を渡ったものの、ちょうど空も白みかけ、後ろから追手が迫ってきた。やむを得ず男は鐘を湖に捨てて逃走した。それからと言うもの、湖底から物悲しい鐘の音が聞こえるのだという。
この鐘の音については不吉な言い伝えもあり、鐘の音を聞いた年は凶作になるとか、鐘の鳴った年には釣りであろうが子どもの水遊びであろうが、決して湖に入ってはいけないとも言われているそうだ。
須川湖では以前、ボート遊びをしていた父子が溺れて亡くなるなど数件の水難事故があったそうで、一部ネットサイトではこれらの事故を鐘の祟りと結びつける向きもあるようだ。つまり鐘の鳴った年に湖に立ち入ったから事故にあったのだと。真相は不明だが、現在湖でのボート遊びや遊泳は禁止になっている。
もう一つ、須川湖で溺れてしまった場合に「国分寺の者だ」とか「国分寺へ行く」と叫ぶと助かるという言い伝えもある。釣りをして万が一溺れてしまった場合に覚えておくといいかもしれない。
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