青梅市の三方山は、中国の高僧の即身仏が祀られていたことから、通称ミイラ山と呼ばれている。その高僧とは、何と曹洞宗などの禅宗諸派の始祖の一人である石頭禅師(無際大師)だという。現在、石頭禅師の即身仏は曹洞宗の総本山である横浜市鶴見区の總持寺に移されているが、1930年にこの三方山の山頂にお寺が築かれ、このお寺に禅師の即身仏が安置されていた。
ところで、なぜこの山が心霊スポットと言われるかというと、禅師のミイラとはあまり関係ない話のようだ。それというのも戦時中の一時期、この寺は陸軍の結核病棟として使われていたため、その関係でよく霊が目撃されるらしい。この山で男性の霊を見たとか、自分以外の誰かの息づかいが聞こえたという体験談があるが、おそらく結核で亡くなった方の霊と思われる。
余談:なぜ石頭禅師の即身仏が日本にあるのか?
1911年に起きた辛亥革命で、石頭禅師の即身仏を祀っていた寺が焼かれ、その当時石頭禅師の研究をしていた山崎彪氏という日本人の学者が寺から禅師の即身仏を救い出し、三井物産の船で日本に運ぶ。
山崎氏は平野氏と共に「大師奉讃会」という組織をつくり、三方山に禅師の即身仏を安置。その後、前述のように寺は陸軍の結核病棟になり、即身仏は平野氏の個人寺院で祀られていたが、平野氏の死去後はこの寺院も廃れる。そのため1960年に早稲田大学の松本昭氏がミイラ研究のため禅師のミイラを譲り受ける。
この話を聞いた總持寺の副貫首である乙川禅師が、ぜひうちでお祀りしたいと松本氏を説得して、1970年に總持寺に石頭禅師の即身仏を移管する。なお、現在三方山の頂上には曹洞宗と関係ない「太陽聖髪教団」という新興宗教の建てた塔がある。
どんな幽霊が出ましたか?
少年10
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老婆2
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