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ペットロス症候群とは
ペットロス症候群とは、ペットを失ったショックで心身に様々な症状が起きることをいいます。
大切なペットを失えば悲しいのは当然ですが、ショックが強すぎるあまり不眠や情緒不安定といったうつ病に近い症状が現れます。
ペットロスはなぜ起きる?
ペットロスになる理由には心の器が大きく関係します。
人の心には器があり、その中には「家族・友人・夢」といった大切な物で埋まっています。その中にはもちろんペットも含まれています。
ペットに対して「この子は私がいないと生きていけない」という想いが強くなるほど、ペットに対して依存することになります。
逆に思えるかもしれませんが、ペットが飼い主に依存しているのではなく、飼い主がペットに依存していることになります。
依存しているものほど器の中での存在感は大きくなります。
そしてペットを失ったとき、心の器には隙間ができてしまいます。
その隙間の大きさが一定値を超えたときにペットロス症候群に陥ってしまうのです。
たかがペットで…とヒドイことを言う人もいる
「ペットが亡くなったので今日は有給をとりたい」と会社に申し出たところ、「たかがペットが死んだくらいで会社を休むとは何事だ!」と心無い言葉を投げつけられた人もいると思います。
ペットを飼ったことがない人からするとペット=動物と安易に考えてしまいがちです。
しかし飼い主からするとペット=家族という重要な存在になります。
ペットの大切さはペットを飼っている人にだけしかわからないのが非常にもどかしいですね。
心の器をわかっている人とわからない人
心の器をわかっている人なら「たとえペットといっても本人にとっては大切な家族だったんだからとても辛いだろう」とこちらの気持ちを理解してくれます。
一方、心の器をわかっていない人は一般的な物差しでしか判断できないため人の気持ちを理解することができません。
心無い言葉を投げつける人というのは大事なものを持っていない可哀そうな人となります。
そんな人にこちらの気持ちを理解してもらおうと思っても無駄にエネルギーを消費するだけなので、放っておくのが一番です。
一般的な物差し
ここでいう一般的な物差しとは会社の規定を指しています。
たとえば忌引き休暇だと、配偶者>父母>子>兄弟>祖父母>叔父母の順で休暇日数がかわります。これは喪主や血縁関係を基準にしているためです。
この考えでいくとペットは含まれないため忌引き休暇は付与されません。
しかしペット=家族と考えれば、その存在は父母や兄弟と同じくらい大きなものになります。
忌引き休暇をくれとまでは言いませんが、せめて上司になるくらいの人物なら「有給をとって休んでいいよ」と言えるくらい広い心を持ってほしいものです。
ペットロスになるのは悪いことじゃない
世の中にはペットの死について理解を示してくれない人もいます。そういった人はペットロスの人に対して、「お前は精神的に弱い、甘えている」といった態度をとってきます。
それが原因でペットロスの人は、まるで自分たちが悪いことをしているかのような錯覚に陥って自分を責めてしまいます。
では本当にペットロスの人は心が弱いのでしょうか?
弟を亡くした人に「たかが弟で…」と言えますか
たとえば事故で弟を亡くした人がいたとします。その人に対して「たかが弟を亡くしたくらいでクヨヨクヨするな!」と罵声を浴びせる人がいたらどうでしょう。
ちょっと頭のおかしな人だと感じますよね。
おそらくその人は周りから相当な批判を受けるでしょう。こいつとは今後一切関わらないと縁を切る人もいるかもしれません。
心の器の中では「弟=ペット」になり得る
小さい頃からペットと一緒に成長してきた人はペットの事を「まるで兄弟みたいだね」といいます。
これは一種の比喩表現のようにも思えますが、半分は事実だったりします。
心の器の中では「みたい」ではなく本当に兄弟と同じくらいの存在になっていることも考えられるのです。
その人にとってペットの死というのは弟の死と同じくらいのダメージを負う弟の死と同じくらいのダメージを負うことにもなります。
自分にキビしい人ほどペットロスになる
「ペットは家族だ」と言う人も頭のどこかでは「動物と人の死を一緒にしてはいけない」と思っているものです。
しかし心がその考えに追い付かない。そういった頭と心の矛盾が自分自身を責める引き金となります。
ペットが大切だと思う反面、このままじゃいけないと自分にムチを打ってしまいペットロスになりやすいといえます。
ペットロスになる人は心が弱いどころか自分を強く持っている人なのです。
ペットロスはペットの死を受け入れるための準備期間ともいえます。だからペットロスになることは決して悪いことではありません。
ペットロス症候群診断チェック項目
次のような症状がある場合はペットロス症候群になっている可能性があります。
前述したように自分に厳しい人ほどペットロスになりやすいので、気づかないうちにペットロスになっているということもあります。
以下に該当する項目があるかチェックしてみてください。
ひと目でわかるペットロス診断
- 疲労感がなかなか抜けない
- 頭痛や腹痛など体調不良を起こしている
- 食欲がない、あるいは食べ過ぎてしまう
- ダルい、やる気が起きない
- 何に対しても興味がわかない
- 楽しいや嬉しいといった感情が薄くなった
- 夜寝るときに孤独や不安を感じる
- 気がつくと自分を責めている、後悔がある
- ペットの死に関わった人たちの行動や言葉が何度も頭をよぎる
- よくペットが夢に出てくる
- ペットの姿が見えたり声を聞こえるような気がする
- 急に涙が溢れてくる
上記にあてはまる項目が多いか少ないかはさほど関係ありません。重要なのは
症状の強さです。
上記の症状が強く表れるようならペットロスになっていると認められます。
またその症状が1か月以上続くようなら
鬱病に発展している可能性があります。
うつ病になってしまうとメンタルクリニックでの診察が必要になってくるので、ペットロスは早期に克服しておくのが良いといえます。
ペットロス克服方法
ペットロスの原因は
心の器の隙間にあるといいました。その隙間が埋まればペットの死を克服できたことになります。
隙間を埋める方法は大きく分けて2つあります。
1つずつ説明していきます。
1. かわりのもので隙間を埋める
恋人と別れてもすぐにまた新しい恋人を作っている人っていますよね。その人は心の隙間を代替品で塞ぐのが得意な人です。
周囲の人からすると、恋人をとっかえひっかえする遊び人と思われがちですが、本人にその気はありません。むしろ前向きな人ほどこの傾向が強くでます。
これは決して悪いことではありません。
新しい存在を代替品と考えているわけではなく、元の存在と同じだけの愛情を新しい存在にも注ぐことができる性格なのです。
心のダメージを蓄積しないための最も早い解決方法ともいえます。
しかし新しいペットを飼えばいいよ、とは言えません
これはあくまでも隙間を埋める方法の1つであり、ペットロス解決への最善策とはいえません。
そもそもペットロスに悩む人は
心の優しい人が多いので、そんな薄情なことはできないと拒否感を示す人も多いはずです。
これができないからペットロスで落ち込んでいるんだというのが本心でしょう。
しかし
新しいペットを飼うというのも解決方法の1つであり、「前の子にできなかったことをいっぱいやってあげたい」と前向きに考えるなら決して悪いことではない、ということだけ覚えておいてください。
2. 隙間が埋まるのを待つ
ペットロスに悩む多くの方がこちらの解決方法を選ぶことかと思います。解決方法といっても文字通り待つだけですが。
それでも人間には
自浄作用といって時間が経過するにつれ悲しみや寂しさが和らいでいくものです。時間が解決してくれるという言葉もあながち間違いではありませんね。
しかし待つといっても
ただ何もしないでいるのではなく、自分がペットロスになっていることを受け入れることが大事です。
ドイツの精神科医エリザベス・キューブラー・ロス博士が説いた「悲しみの5段階」というものがあり、これはペットロスの方にも共通する部分があります。
「悲しみの5段階」の各項目を紹介しますので、自分が現在どの段階にいるのかを把握してみましょう。
1. 否認
事実を受け入れることができない段階です。ペットが死んだことを理解できない、まだ生きているかもしれないと思っている状態。
2. 怒り
自分自身に対して怒りが込み上げている段階です。「もっと早く気づいていれば良かった」「もっと遊んであげれば良かった」という後悔、あるいは「治療をした医者が悪かった」と他人に対して怒っている状態。
3. 取引
悲しみの重さを誰かに託したいと思う段階です。「あの子を生き返らせてください」と神様にお願いをするような状態。
4. 抑うつ
何をやるにもネガティブに考えてしまう段階です。やる気を失って塞ぎこんでいる、気持ちが落ち込んでいる状態。
5. 受容
少しずつ事実を受け入れていく段階です。まだ悲しみは残っているものの気持ちを切り替えて、これまでとほぼかわらない生活ができる状態。
多くの人はこのように段階を経て悲しみから立ち直っていきます。
ここで大事なのは
抑うつも立ち直るためには必要な段階であること、そして最後には必ず
ペットの死を克服できる受容に辿りつけるということです。
自分がどこにいるかもわからず心の中で迷子になっているのはただただツラいだけです。今いる場所がわかることで進むべき方向がわかり今よりもずっと楽になります。
最後に
ペットをすぐに捨てるような人間はペットロスにはなりません。
ペットロスになるのは、ペットのことを大切に想い最後まで飼い主としての責任を遂げようという強い気持ちを持っている証拠でもあります。
なのでペットロスは決して悪いことではありません。
ペットロスを克服したときにようやく飼い主としての責任を果たしたと言えるかもしれませんね。